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武蔵小杉で読書会をやってる人のブログ

まだ出会えていない〈ことば〉が、ここにあります

【ロミジュリ日誌】ひとみ座の人形劇「リア王」を楽しんできました

気がつけば、立春
陽も長くなってきました。個人的には、正月よりも節分の方が新年の区切りという感じがしています。

さて、今日は、人形劇団ひとみ座公演「リア王」を観てきました。
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(ちなみに、この劇で使っている翻訳は斎藤勇訳の岩波文庫版です。写真の山崎努さんの本は、今回の劇とは直接関係ありません)

人形劇というと、なんとなくですが「子ども向け」というイメージがありませんか。
ぼくにはあります、というか、ありました。

んが、今回の「リア王」のような骨太の作品を観ると、そのイメージは吹っ飛びます。

リア王」は、ご存知シェイクスピア原作です。彼の作品のなかで「四大悲劇」のひとつに数えられます(ちなみに、あとの3つは「マクベス」「ハムレット」「オセロー」ですね。「ロミオとジュリエット」と勘違いしている方も多いです。ぼくもその一人でした)。

さて、あらすじはというと。
年老いた、ブリテン国王のリアは退位するにあたり、自分の三人の娘たちに領土を分け与えることにしました。
長姉ゴネリル、次姉リーガンは、言葉巧みにリア王への愛情を表現して、彼を喜ばせますが、末娘のコーディリアは簡潔に敬愛の表現をするだけ。
それを不誠実と激怒したリア王は、コーディリアを感動し、すべての権力財産を二人の姉に与えてしまうのでした。

引退した後は、ゴネリルとリーガンの家を行ったり来たりして余生を過ごす計画だったリア王ですが、言葉とは裏腹に父親を疎ましく思う娘たちは、リア王の期待を裏切り体よくあしらっていきます。
ここから、老王の悲劇がはじまるんですね。

このストーリーに、もう1本、臣下のグロスター伯爵の息子たち、ひとりは正嫡のエドガー、もうひとりは庶子のエドマンドの争いが絡んできます。これが「リア王」の物語を奥深いものとしています。

四大悲劇というくらいなので、テーマも重たいですが、ストーリーとしても登場人物は次々に死んでいきますし、もちろんセリフ自体も緊張感漂う重たい内容。
唯一、観客を一瞬だけ和ませてくれるのは「道化」ですね。

そんな骨太な古典を、人形たちが演じるわけです。
人形は基本的には、一体を2名で操演します。人形も背丈が高いです。ちょうど、当日パンフに挿絵があります。
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そして、ぼくの目はもう最初から舞台に釘付けでした。
人間以上に人間らしい。
カリカチュアライズされた動きは、不思議にも素直に胃の腑に落ちていきます。
それは、「リア王」の登場人物たちが、みんながみんな、ハイテンションな感情むき出しだからこそ、人形の動きにうまくマッチできていたのではないでしょうか。

上演時間は約2時間。おそらく決して自重は軽くはない人形たちですが、緊張感は途切れることなく、ぼくたちに悲劇のとば口まで連れて行ってくれました。
シェイクスピアを通じて、人形劇の奥深さも感じることができた時間でした。

さて、来週はいよいよ、ぼくたちの「ロミオとジュリエット」の発表です。是非お立ち寄りください。

www.kokuchpro.com

【ロミジュリ日誌 #2】「ロミオとジュリエット」、猛スピードで恋は。

2/12(日)、人形コラボレーション劇として発表する「ロミオとジュリエット」。
www.kokuchpro.com

タイトルやあらすじくらいは何となく知っている方も多いでしょうが、原作(戯曲)を読んだことがある、というとそんなに多くないかもしれません。
かく言う私めもそのひとり。
原作は小説とは違って、戯曲つまり台本ということです。読み慣れていないとちょっとハードルが高いかもですね。
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さて、この「ロミジュリ」のお話、時間でいうとどのくらいの期間かご存知ですか。
いったい、彼らの恋はどのくらい続いたのか。
1年? 1ヶ月?
永遠、という答えはひとまずナシとしましょう(笑)。

正解(のひとつ)は、6日間です。ただし、答えは戯曲の解釈次第なので、正確な答えというのはないようです。
という但し書きを添えておきますが、それにしても1週間足らずというのは、ちょっとびっくりします。

コトのはじまりは、日曜日の午前。そこでモンタギュー家とキャピュレット家との喧嘩騒ぎが起こります。
夜には舞踏会。ロミオがジュリエットと出会って、例のバルコニーの場面。気がつけば月曜日の朝になっています。
そのままロミオは神父のもとに走り、午後にはジュリエットと結婚式を挙げます。
で、その1時間後には、ロミオはジュリエットの親戚ティボルトを殺害、街から追放宣告を受けます。最後の別れを言いにロミオはジュリエットの部屋を訪れて初夜を迎えたと思ったら、もう火曜日の朝。
午前中には神父から仮死の妙薬をもらい、夜に服薬。ロミオ追放後、大公の親戚であるパリス伯爵とジュリエットとの結婚を急ぐキャピュレット家はてんやわんやで支度をしているうちに、水曜日の朝。
そこで仮死したジュリエットの「遺体」を発見。

ロミオが訃報を聞いたのは、木曜日。その夜に、仇討ちのパリスを返り討ちにして、ロミオ自身も服毒自殺。目が覚めたジュリエットはびっくりして、そのまま後追い自殺
ふたりの死を知って、モンタギュー家とキャピュレット家は和解しますが、それが金曜日の朝。

ふう。
てな具合に、猛スピードでふたりは突っ走っていきますが、お前ら寝てんのか、おい(笑)。

新聞スクラップをはじめてみた

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紙媒体の新聞というものを、久しく手にとらなくなっていた。理由はあちこちで言われているのと、さして変わらない。

昨年末、高校で先生をされている知人のNさんのSNS投稿で、彼女が新聞のスクラップを授業に取り入れているということを知った。生徒が新聞をスクラップし、ある期間経ったところでその内容について生徒自身が発表するという内容。

ということを聞いて、なかなか面白い試みだと共感、ぼくもやってみたくなった。
スクラップなんて、いまの時代、面倒くさいというのはよーく解っている。でも情報リテラシーを鍛えるひとつとして有効なのかもと感じた。
うそ。
わざわざ手を動かして、切り貼りすること、それが楽しいかもと単純に思っただけだ。

それをNさんに伝えたら、あっという間に「新聞スクラップの会」が誕生した。ネット時代ならではの展開である。
久しぶりに、新聞の香りを嗅ぐことになりそうだ。

どの新聞を読むか

その翌日から新聞を数紙買ってきて、目を通して見た。スクラップするための一紙をどれか選ぼうと思ったのだ。
数年前まで読んでいたのは、朝日新聞。前職のときに必要があって講読していたものを惰性で定期購読していた。今回も久しぶりに手を取ってみたが、正直、面白くない。それは変わっていなかった。クオリティはあると思うけど。
www.asahi.com

つづいては、日経新聞
うん、コンパクトな記事づくりがいいなあと思った。でも、Nさんと選択紙がかぶっている。せっかくなので、違う新聞にしてみたい。

ならばと夕刊タブロイド紙を買ってみた。
政界こきおろしにはじまり、スポーツ(野球、サッカーあたり)、ゴルフ、健康、エロ、出世(カネ)、マネー(投資)、サラリーマン世間の由無し事などなど、ぼくが社会人になったときから変わらないテーマのオンパレードだ。
イマドキいったい誰が読んでいるんだと思ったら、同じ車両で少なくとも2人は紙面を広げている人がいた。失礼。まあ、銀座の隣に新橋は必要だ。

タブロイド紙は続かない、さて困ったところに立ち寄った書店で、この本を見つけた。その日発刊されたばかりだったのだ。

ぱらぱらとめくっていくと、佐藤さんが定期購読している新聞のひとつに、東京新聞とあった。
おお、その手があったか。首都圏のブロック紙
東京新聞(TOKYO Web)

その本を小脇に抱えての帰り道、キヨスク(つか、NewDays)で東京新聞をはじめて購った。

【ロミジュリ日誌】「はじめて触れる戯曲」第1期発表会「ロミオとジュリエット」をやります

2016年の春から、読書交流会〈こすぎナイトキャンパス〉ではじめた、「はじめて触れる戯曲」というワークショップ。
誰もが名前くらいは知っているけれど、ちゃんと読んだことはないかも、という古典の名作やポップな現代劇を、「声に出して読む」という試みです。
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毎回参加者は20名近く来ていただいており、昨秋には地元のイベント「コスギフェスタ」で発表会のステージに立つことができました。

そんなワークショップも、もうすぐ第一期が終わります。
いったんの区切りをつけるために、最終発表会として、シェイクスピアロミオとジュリエット』を、来月2月12日(日)、演じることとなりました。

演出は、地元川崎の演劇集団〈カワサキアリス〉主宰のAshさん。
www.sorasoba.com

そして今回、われわれとご一緒してくれるのは、これまた地元川崎の人形劇団ひとみ座。
■人形劇団ひとみ座
http://hitomiza.com/

ひとみ座の人形に、ぼくたちは声をあてるのです!
「人間」と「人形」とのコラボレーション劇です。

その人形というのは、よくある手足胴体のあるものではなく、なんと仮面に布きれのついた、とってもシンプルな「人形」。
シンプルなだけに、人間の動きがダイレクトに人形に伝わります。それだけに動かすのはなかなか難しい。
声を聞きながら人形たちを見ていると、彼らはいろんな表情を見せてくれます。
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ぼくたちがどんな息吹を人形たちに吹きこむか、どうぞ御覧下さい。
www.kokuchpro.com

【芥川賞直木賞予想 #156-5】 第156回芥川賞直木賞決定、御目出度うございます。

第156回芥川賞直木賞銓衡会の結果は、以下の結果となりました。

芥川賞は、

山下澄人『しんせかい』(新潮社)

直木賞は、

恩田陸『蜂蜜と遠雷』(幻冬舎

です。

受賞者のみなさん、大変御目出度うございます。
これからのご健筆を祈念いたします!

わたしの予想は、芥川賞はハズレ(最後まで競ったようですが)*1

山下さんの作品については、なにもいいません。石原さんの時評と同じです。
www.sankei.com

さて、次回第157回を楽しみに待ちたいとおもいます。

しんせかい

しんせかい

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

*1:直木賞はパス。恩田さんということはfb上では呟きましたが、それはカウントしません。